1930年代初頭の上海。蘇家の令嬢・桃桃は、割れた骨董の陶器から出てきた銅鏡を手に取るが、磨いた瞬間、銅鏡の中の世界に閉じ込められてしまう。声はすれど姿が見えない娘を探す父・景栄は、陰陽の力を持つ無心に頼る。しかし、このとき無心は約30年の眠りから目覚め、以前の記憶のほとんどを失っていた。恋人、友人、まとわりつく敵の顔さえも。守護精霊・白瑠璃の助けを借りて何とか桃桃を救い、鏡の霊力も封印したのも束の間、蘇家が何者かに襲撃され、景栄は命を落とす。その直後、日本軍の空爆が始まり、大都市・上海の街を逃げ惑う無心と桃桃は生き別れてしまうのだった。それから一年後、下町で占い師として糊口をしのいでいた無心は、桃桃と偶然再会する。家も財産も失い仕事を求めていた彼女が酒場の支配人に騙されそうになっていたところを無心が助けたのだ。その酒場を仕切っていたのは、顧基という男。前世で無心の親友だった顧玄武の息子で容姿もそっくりだが、記憶がない無心はそれに気が付かない。さらに顧基のボスの天敵・小丁猫は、無心の妻・月牙を殺した岳綺羅と瓜二つであった。混沌とした租界・上海を舞台に、裏社会に生きる者たちがしのぎを削る中、アヘン密売人の日本人・白川凛が鏡の力を狙い現れるが・・・・。